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文字曼荼羅・1

 投稿者:天邪鬼  投稿日:2014年12月25日(木)17時04分59秒
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  どこかの掲示板でも出世の本懐について、喧々諤々の論議をされてますが、弘安二年の本尊がそれに当たるかどうかは、興門系でも昔からの論議が有るようです。

文永八年の楊枝本尊が書き始めと言われる文字曼荼羅ですが、最初は題目七文字に釈迦多宝の二尊+梵字であったものが、その後諸尊や諸神を勧請して変化を遂げて行きます。

その頃の日蓮の曼荼羅筆法は中央主題と言われる題目と諸尊・法華経経文偈で非常にシンプルなものでしたが、佐渡流罪を経て身延隠棲時期・弘安元年の頃から日蓮本尊の筆法が変わってきます。

これについては門下のさまざまな論者がすでに指摘するがごとく2つありますが、一番の大きな変化日蓮花押の部分です。これは遺文でも確認されており弘安元年正月からではなく、日興門流上代事典に記載されている通り、5月~6月時期にかけて揮毫された曼荼羅の花押がバン字からボロン字へと変化しています。

それまでの文字曼荼羅はバン字といわれる真言宗でお馴染みの種子を元にした崩した梵字でサインのような形をしています。

バンとは漢字で鑁(バン)と書きますが、我覚(バン)ともいい字の通り私は覚ったという宣言で、仏教の智慧をあらわす金剛界の大日如来の種子鑁(バン van)から来てます。

五つの梵字から構成されている板塔婆や五輪塔は、地、水、火、風、空を表していて「ア・バ・ラ・カ・キャ」といい、種子・真言で書くと「阿・縛・羅・訶・イ去・鑁」上から順番に

●阿(ア)字・諸法・本不生の義とは、すなわちこれ地大なり。

●縛(バ)字、離言説とはこれすなわち水大なり。

●清浄・無垢・塵とはこれすなわち羅(ラ)字・火大なり。

●因業・不可得とは訶(カ)字門・風大なり。

●等・虚空とはイ去(キャ)字の字相、すなわち空大なり。

●我覚(バン)とは識大なり。因位には識と名づけ、果位には智という。

とりわけ最後のバンは精神の働きを示しているから識大をシンボルとするようです。五輪塔では梵字を入れますが下から地、水、火、風、空。

地(ア)は四角(方形)。
水(バ)は円形。
火(ラ)は三角。
風(カ)は半円。
空(キャ)は宝珠形。

宇宙を形成する物質の要素としての空風火水地の五大をあらわしたもので五輪の裏に書かれている文字は鑁(バン)字です。種字のバンは仏の智慧を清浄な水にたとえて大智水と言い、その智水が私たち一切衆生及び一切萬象の上に潅いで仏心・仏種の芽を成長させる偉大なる働きをされる仏の姿、真言宗では潅頂の際に容器に入れた智水を頭頂から注ぎます。

その意義をバン字に象徴させているのですが、あれだけ真言宗や天台密教を貶していたのに真言宗の大日如来の種字を使うというのもおかしな話です。

次に弘安元年から花押が変化したボロンと言われる種子を見てみます。

これもまた真言宗から来てます、「ボロ」ともいい一字真言というボロン」
唱えるときは、ノーマクサンマンダ・ボーダーナン・ボロン。

この梵字は一切の悪しき物(煩悩・業・苦)を払い、浄化清浄にするという意味で一字金輪王・一字金輪佛頂尊などとも呼ばれ、仏の限りない智慧を意味し、最勝最尊佛と位置付けられています。
いちおうこの意義については諸仏や諸真言の一切の功徳が集まると説かれてます、真言宗では大日如来と同体と言う説もあり、全ての頂点・最高尊勝の仏としての尊格が伝えられています。

因みに真言宗では印を結び、願いを込め、真言(マントラ)を一心に唱えれば、行者の一切の願意が成就する御利益があるといわれています。ゆえに一字金輪仏頂というそうです。

一字金輪仏頂 、梵名エーカークシャラ・ウシュニーシャチャクラ 、深い瞑想の境地に至った如来が説いた一字の真言ボロン、金輪とは転輪聖王のうち最も優れた金輪王を意味し、仏頂尊の霊験が極めて優れたことを譬えたもので2つの意味からも最上の尊格。

ところが天台宗と真言宗ではその本体が違うようです。如来形の釈迦金輪(しゃかきんりん)と大日金輪(だいにちきんりん)の二つの姿が天密と東密に伝えられてます。日蓮の場合は釈迦如来所変の仏頂尊と推測されてます。このボロン字一字で万行の功徳を集めるとされてますので、阿字と同じ思想の根源的シンボルですね。

昭和定本では弘安元年(平成では建治三年説)の遺文・教行証御書には「此の法華経の本門の肝心妙法蓮華経は、三世の諸仏の万行万善の功徳を集めて五字と為(せ)り。此の五字の内に豈(あに)万戒の功徳を納めざらんや。」とありますので、何らかの宗教的覚醒があり、意図としてはその境地に立ったとみてボロン字に変えたのではないかとされています。ただし真蹟は有りません。

もう一つは、字数が多いので別項にします。
 
 
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