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暗がりの中の青春

 投稿者:編集部  投稿日:2014年12月 9日(火)08時59分17秒
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           暗がりの中の青春
        ー高校時代の思い出の映画ー 





 青春時代なんて自分にあったんだろうかと時々思うことがある。時期的には高校時代と
いうことになろうが、その頃はといえば、運動ダメ、クラブ活動せず、勉強もいい加減、
異性とは口もきいたことがない…これじゃ青春なんて言葉はどこを探しても出てこない。
ただ、もしあったとすれば、それは映画館の暗がりの中で過ごした束の間の時ではなかっ
たか。
 そんな“青春した”思い出の映画をいくつか挙げてみたい。

 最初は誰が何といっても「昼下がりの情事」である。恋愛映画を初めて観たせいか(そ
れまでは活劇ものしか観たことがなかった)オードリー・ヘップバーンに一目惚れしたせ
いか、とにかく、その衝撃は大きかった。おふくろなんぞ今でも、元明が一浪したしたの
はあの映画のせいだと言っているし、姉や妹も、あの頃深夜になると、決まって「魅惑の
ワルツ」(映画の主題歌)をうなり出すので気持ちが悪かった、と言っている位だ。
 ヘップバーン熱は、そのあと続いて観た「ローマの休日」でピークに達し、遂には“
戦友”久富文雄君の勧めでファンレターを出すまでになった。確か出だしは“Dear Audry,
I am your fan”であったと記憶する。

 次に挙げたいものは「芽ばえ」である。避暑地を訪れた上流社会の少女と地元の少年と
の淡い恋の芽ばえと別れ。というありきたりの筋であるが、妙に忘れがたいのはやはり主
人公達が同世代であるということ(そんな時があったんだ!)と、ヒロインのジャクリー
ヌ・ササールの魅力であろう。ヘップバーン2世と言われた清純な顔立ちとグラマラスな
肢体、黒の水着姿のまぶしかったこと。人間離れした美しさのためセックスアピールに欠
けるヘップバーンにもの足りなさを感じ始めたせいであろうか。

 “ヘップバーン離れ”に拍車をかけたのが「大いなる西部」のジーン・シモンズである。
確か高2の時で、久富君と真﨑精治君との3人で封切日にわざわざ博多まで観に行ったは
ずだ。
 冒頭の馬車の疾走シーンから、戦いが終わって立ち去る二人の背中ごしに広がる大いな
る西部の景色、というラストシーンまでこれほど完璧で気持ちのいい作品を私は知らない。
その後のマカロニウェスタンの勃興等を考えると、正統派西部劇最後の傑作であり、また、
古き良きアメリカの終焉という見方もでいるかもしれない。
 そしてジーン・シモンズ。成熟した女のもつ気品と優しさ、それでいて時折みせる童女
のような可愛さ…イイ女というのはこういう人のことをいうんだろうかなあ、と暗がりの
中でつぶやいたものである。

 と、まあ、暗い映画好きの青春が何やら華麗な女性遍歴の話みたいになったのは、過去
を懐かしむ老人ボケの始まりかしらん。

「青春のあの日」1991


              

2014.12.9差し換え

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