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「佐賀・さくら会」会報 2014年寄稿文集

 投稿者:編集部  投稿日:2018年 1月13日(土)15時04分21秒
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「佐賀・さくら会」会報 2014年寄稿文集



こいつは春から…
(星組大劇場公演『眠らない男ナポレオン』を観て)2月号
 正月2日、I1時公演の当日券を求めて寒空の中、1時間並んだ挙句が座席券売切れ。立
見席よりは、とキャンセル待ち4番・5番に賭けたところ、10列の42・43座席をゲット、思わず
女房と「こいつは春か ら縁起がいいわい」と発した次第。
 しかし観劇後の感想はといえば、うーんとうならざるを得ない。まず、テーマがはっきり
しない。いわゆるナポレオン伝と革命前後のフランスの歴史をただなぞっているだけ。本
来はナポレオンとジョセフィーヌの恋が一番のテーマであるべきだが、彼女の浮気(結婚後
だから不倫か)がおおっぴらに演出され、その後の改心?のきっかけ、理由の説明もない。
一方、部下との友情と裏切り、家族との愛としがらみも応分に描かれるが、本人の真意がも
ひとつわからない。そもそもナポレオンの偉大さ、世界史の中での意味、役割が才子小池
修一郎に把握できていないように思う。革命の大義の喪失、権力を得てからの変質等、テ
ーマを絞れば面白いと思うが。
 とここまで書いて、ふと思った。宝塚ファンはもっと寛容で、なによりも自分が観たい
ものだけを観て、他は気にしないということ。つまり、ひいきのスターが活躍すれば、それ
で良し。歌やダンスが好きな人はそれだけでOKみたいな。その意味で言えば、主役の二人
は熱演、今や実績的にはトップの中のトップのカップルだが、役柄をちゃんと理解していた
かどうか。あと真風涼帆が伸び盛りの勢いを見せ、紅ゆずるもうかうかできないようだ。
音楽はフランスの作曲家を呼んだだけの成果が感じられ、舞台装置も良く、幕開けを飾る
にふさわしい大作、といえる。
 それにしても、キスシーンが多いのには食傷した。本作に限らず、最近の舞台はちょっ
と多すぎる気がする。私が1月会報に書いたように、少女歌劇団の良さを忘れないでほし
い。





夢か現か、至福の4時間
 8月号
7月11日から約1週間、神戸に帰り、例によって楽の2日前に雷組公演を観、次いで18日
に星組公園初日を観て帰佐した。まず雷組公演は、前号の会報で原さんが指摘された通り。
同感である、『一夢庵風流記 前田慶次』は色々と詰め込み過ぎて訳がわからなくなった上
に、肝心の慶次の行動が納得も共感も得られない。傾奇(かぶく)という言葉でごまかせ
るとでも思ったかしらん。次に星組公演。『The Lost Glory』はいい作品だと思う。
舞台を大恐慌時代前のニューヨークに設定したのが成功で、バブル崩壊を経験した我々も
共感しやすい。シェークスピアの『オセロ』をモチーフにしているそうだが、男が男に、
男が女に抱く嫉妬は普遍的なテーマで、説得力もあり上手く仕上がっていた。惜しむらく
は主演の轟悠がカッコよすぎて、劣等感からくるドロドロした嫉妬の苦しみが伝わらなか
った。まあ仕方ないか。この作品には我らが蒼舞咲歩さんが星組で初出演をした。主にカ
メラマン役をやっていたが、容姿の良さで結構目立っていた。正統派二枚目としての将来
が楽しみである。『パッショネイト宝塚』は、近年、出色のショーで、何よりも柚希礼音
の存在感がすごい。
歌もダンスも一級品。まさにトップ中のトップである。ショー自体も、聞き慣れたラテン
ナンバーが楽しく、振付けもいい。とくに柚希が踊るカポエイラは必見である。ところで
タイトルの「夢か現か…」は、残念ながら観劇の感想ではない。実は今回の神戸行にはも
う一つ目的があって、それは、あの加茂さくらさんに会うこと。それが実現したのです。
それも当初考えていた、せいぜい10分程度じゃなくて、なんと4時間。しかも隣り合わせ
のカウンター席で。その間、世の中こんなこともあるんだなあ、と思いながら、まさに夢
か現か。至福の4時間だった。話の内容は後日ゆッくりと…。最後に一言。鈴田さんには
「50代は言い過ぎでしょう」と反諭されましたが、今回、30cmの距離から見た加茂さくら
さんの肌は50代。間違いありません。





AKBと宝塚
    9月号
 人気グループAKB48は明らかに宝塚を意識していると思う。端的な例は恋愛御法度。
問題を起こした指原嬢を福岡へ左遷させ、結果として本人もグループも人気を上げたとい
う戦術。その他、スター養成システムやセンター(トップ)重視の方法等、枚挙にいとま
がない。一方でAKBから学ぶこともある。その一つはフランチャイズ制というか、地方
に系列のグループを作り、中央との相互支援や相乗効果で実績を上げるやり方である。
 道州制を持ち出すまでもなく、今や地方の時代。宝塚(東京)一極?集中でなく、裾野
を広げる必要があると思う。隣の長崎県でハウステンボス歌劇団が旗上げした。常設の劇
場や劇団員の養成所を持ち、ミニ宝塚を目指しているようだ。こうした動きとタイアップ
してフランチャイズ制を打ち出し、全国展開を計るのはどうだろうか。その際、地方は名
作・旧作の再演に特化し、それに必要な要員の派遣(OGに限らず楽団員やスタッフを含
む)、脚本・衣装・道具等は中央から提供する。多方面でメリットが期待できると思う。
その歌劇場で観たい作品は、「虹のオルゴール工場」「港に浮いた青いトランク」「霧深
きエルベのほとり」「花のオランダ坂」「ラ・グラナダ」「オクラホマ」「パリ公演」…
切りがないからやめるが、宝塚は素晴らしい財産を持っている事を再認識してほしい。





万感こもごもいたる
      12月号
 10月末に神戸に帰り、例によって月組公演と11月7日の宙組初日を観て帰佐した。まず
宙組。凰稀かなめのサヨナラ公演になるが、とにかく早すぎる。せめて、あと1年やって
欲しかった。研2の頃から、トップになると予言してきた(久富君が証人)身には、一寸
おおげさだが、万感こもごもいたる感がした。決して才能に恵まれているわけではない。
ただ、華があった。歴代のスターで言えば、那智わたる。宝塚で成長し、本物のスターに
なった人だ。凰稀も公演毎に成長した。わが子に限らず、人の成長をみるのは楽しいもの
である。そしてトップ御披露目公演『銀河英雄伝説』で更に高みへ。まるで人が変わった
ような貫録と落ち着きとオーラが加わった。トップとしての自覚の賜である。即ち、自分
のことより組のこと、自分の成長より組子の成長を第一主義に考えるという――。凰稀礼
賛が長くなったきらいがあるが、今回の公演では彼女に対する組や組子の想いが痛い程感
じられたこと、また、後を継ぐ朝夏まなとにも参考にして欲しいと思うからである。
 『白夜の誓い』は期待の新人、原田諒の演出だが、さすがにワクワクさせる展開、スト
ーリーの組立ては上手い。ただ惜しむらくは国王暗殺の動機づけがやや弱い。国や政治の
方向性の違いだけでなく、例えば、男の嫉妬。国王の気持ちか緒月の役から朝夏の役に移
るとか。そうすれば多少、役不足の感がある朝夏のファンも納得しよう。
 『PHOENIX宝塚!!』は最近流行りの大階段から始まるショーである。何より、気合いが
凄い。凰稀への想いであろう。宙組のあまりの団結力とパワーに感動して泣いてしまった
と、演出家の藤井大介が言っている。
 次に月組公演。『PUCK』はいわゆる妖精ものだが、これが難しい。現実感の無さを凌駕
するセットや仕掛けが大事になるがそれが無い。初演から20年余。それなりの手直しが
必要だろう。
 ショーでも感じたが、最近の月組は大人しい。次を狙う美弥、凪七(なぎな)に覇気が
感じられない。珠城が目立つぐらい。可哀そうだが、これもトップの責任である。朝夏を
名実ともに真のトップにするべく、さくら会も頑張らねぱと感じた観劇であった。



(写真:α編集部)
 
 

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